青チャートは、数研出版が教科書レベルから入試レベルまでを扱い、難関大学入試に対応すると案内している高校数学の参考書です。
難しい問題だけを集めた本ではありませんが、基礎から発展まで範囲が広いため、数学が苦手な人や受験まで時間がない人には負担が大きくなることがあります。
選ぶときは「偏差値がいくつか」より、教科書例題を自力で解けるか、過去問を始めるまで何か月あるか、どの例題を優先するかを見る方が実用的です。
青チャートのレベルは「難関国公立・私立大」
青チャートは、教科書の基本をある程度理解した人が、大学入試の典型解法を広く学ぶための入試上級参考書です。
数研出版は、青チャートを「難関大学入試対応」とし、難関国公立・私立大学を目指す人に勧めています。
ただし、公式商品ページは対応偏差値や大学群を示していないため、公式な保証ではなく一つの目安です。

| 現在地・条件 | 青チャートの判断 |
|---|---|
| 教科書例題をおおむね解ける | 典型解法を広げる候補になる |
| 公式や基本計算から不安 | 教科書・白・黄も比較する |
| 難関大まで視野に入れる | 例題を土台に過去問へつなぐ |
| 受験までの期間が短い | 問題を絞る教材も比較する |
| 典型問題はすでに解ける | 過去問・上位演習を優先する |
広い範囲を復習し続けられる時間があるかも、教材との相性を大きく左右します。
数研出版が示す青チャートの難易度
公式の商品説明では、青チャートは高校生向けの「入試上級」に分類されています。
掲載範囲は教科書レベルから入試レベルまでです。
基礎力を付ける問題と、応用力を付ける問題が混在して収録されているため、青チャート全体を一つの難易度で表すのは正確ではありません。
青チャート1+Aの場合
| 収録問題 | 問題のレベル |
|---|---|
| 例題 | 基礎力と応用力の定着 |
| 指針問題 | 重点・急所・解法の立て方を理解 |
| 練習問題 | 例題の解法を使って確認 |
| EXERCISES | 応用力を磨く発展演習 |
| 総合演習 | 巻末の発展的な総合演習 |
公式や定義が抜けている場合は、教科書や基礎向け教材を横に置きながら、例題から取り組むのがおすすめです。
コンパス1・2・3・4・5のレベル

青チャートでは、各問題の難易度をコンパスで示します。
コンパス1〜2を教科書、3を入試基本、4を入試標準、5を入試応用の目安として説明しています。
| コンパス | 一般的な目安 | 使い方 |
|---|---|---|
| 1〜2 | 教科書レベル | 基本事項の確認 |
| 3 | 入試基本 | 最初の受験基礎 |
| 4 | 入試標準 | 志望校に応じて追加 |
| 5 | 入試応用 | 過去問と必要性を比較 |
ただし、この対応は数研出版の現行商品ページで確認できる公式な偏差値換算表ではありません。
数字の高い問題へ急ぐより、低いコンパスの例題を解答なしで再現できるかを見る方が先です。
基本例題・重要例題はどのレベルか
青チャートの中心は、例題と「指針」です。
指針では、問題のどこに注目し、どの解法を選ぶかが示されています。
解答を読んで理解しただけでは、入試で同じ方針を自分から選べるとは限りません。
例題に取り組むときは、次の3段階を分けると定着を確認しやすくなります。
- 問題を見て、使う定理や方針を言葉にする
- 解答を閉じて、途中式を含めて最後まで解く
- 数日後に、同じ方針をもう一度再現する
基本例題という名前でも、自分の未習分野や苦手分野では難しく感じることがあります。
逆に、重要例題でも既習の解法が定着していれば短時間で解ける場合があります。
ラベルだけで進度を決めず、解法を自力で選べるかを基準にしてください。
EXERCISESと総合演習のレベル
数研出版は、EXERCISESと巻末の総合演習を発展的な問題として位置付けています。
そのため、青チャートを開いた日から例題と同時にすべて解く必要はありません。
先に例題の解法を再現できるようにし、志望校の過去問で演習不足が見えた分野へ追加する使い方が考えられます。
EXERCISESで長く止まり、例題の復習や過去問が遅れるなら、教材全体の完走より受験計画を優先すべきです。
青チャートは例題だけでよいか

時間が限られる場合、例題を優先する方針には合理性があります。
ただし、「例題を一度読んだ」状態と「例題の解法を自力で再現できる」状態は別です。
| 状態 | 次の行動 |
|---|---|
| 指針を読めば分かる | 解答を閉じて解き直す |
| 同じ例題を自力で解ける | 対応する練習へ進む |
| 類題でも方針を選べる | 過去問で通用するか確認 |
| 過去問で演習不足がある | EXERCISESを分野別に追加 |
例題だけでよいかは、例題の再現度と過去問の結果で決まります。
特定の大学群だから例題だけで十分、と一律に決めることはできません。
青チャートだけでどの大学レベルまで行けるか
公式上の対象は難関国公立・私立大学です。
ただし、これは青チャートを終えれば難関大学へ合格できるという意味ではありません。
大学入試では、典型解法の知識だけでなく、複数分野を組み合わせる力、時間配分、答案作成、過去問への適応が必要です。
大学名で到達レベルを決めるより、志望校の過去問を解いて次の3点を確認してください。
- 青チャートで学んだ方針を選べたか
- 複数の解法を組み合わせられたか
- 制限時間内に答案をまとめられたか
方針を思い出せない場合は例題へ戻り、方針は分かるのに解けない場合は演習量や答案作成を補います。
この切り分けをすると、青チャートを続けるべきか、過去問や別の演習教材へ進むべきかが見えやすくなります。
共通テスト対策に青チャートは必要か
数学を使う試験が共通テストのみの場合、青チャートではなく緑チャートが適している可能性が高いです。
共通テストで使う知識の土台を青チャートで確認することはできますが、青チャートは難関大学入試にも対応できる難易度です。
そのため、共通テストだけが目的の人が青チャートに取り組むのは、負荷が大きすぎる可能性があります。
文系・理系ではどこまで進めるべきか
文系の場合
文系では、志望学部の入試科目と出題範囲を先に確認します。
必要のない科目まで一律に進めると、英語や国語を含む他科目の時間を圧迫します。
数学を得点源にしたい人はコンパスの高い問題まで進める価値がありますが、苦手を減らす目的なら基本・重要例題の再現を優先する選択もあります。
理系の場合
理系で数学III+Cを使う場合は、I+AとII+Bの復習に加えてIII+Cの学習時間が必要です。
3冊すべてを最初から同じ密度で解くより、学校の進度と入試頻度に合わせて重点分野を決める方が現実的です。
難関理系や医学部を目指す場合も、青チャートの完了だけで対策終了とはせず、過去問で初見問題への対応を確認してください。
青チャートの良い口コミ・評判から見えること
第三者のレビューや受験指導記事では、網羅性、指針、例題直後の練習を評価する声が多く見られます。
典型問題を広く確認できるため、分からない問題に出会ったときの辞書として使いやすいと感じる人もいます。
2026年の改訂版I+Aは、公式に全例題の解説動画が付属すると案内されています。
紙面だけで理解しにくい問題を動画で確認できる点は、独学時の補助になりますね。
悪い口コミ・「やめとけ」と言われる理由
青チャートへの否定的な評価では、分量の多さ、終わるまでの時間、解説の簡潔さが挙げられます。
特に、1ページ目から全問題を同じ優先度で解くと、復習前に疲れたり、受験までに過去問へ移れなかったりしやすくなります。
「やめとけ」という結論より、どの条件で負担になるのかを見ることが大切です。
| 気になる点 | 負担が出やすい条件 | 対策 |
|---|---|---|
| 分量が多い | 最初から全問進める | 例題と苦手分野を優先 |
| 難しく感じる | 教科書の基礎が未定着 | 教科書・白・黄も比較 |
| 解説が簡潔 | 途中式を細かく知りたい | 動画や質問手段を用意 |
| 終わらない | 期限と問題数を決めない | 過去問開始日から逆算 |
教材の評価が悪いというより、目的と使い方が合っていないケースもあります。
青チャートが向いている人・向いていない人
| 向いている人 | 慎重に検討したい人 |
|---|---|
| 教科書例題をある程度解ける | 公式・計算から復習したい |
| 典型解法を広く学びたい | 短期間で問題を絞りたい |
| 定期的に復習できる | 全問やらないと不安になる |
| 動画や質問で補助できる | 非常に詳しい途中説明が必要 |
| 過去問へ移る期限を決められる | 受験までの残り期間が短い |
青チャートが向いていない時期があることと、将来も使えないことは同じではありません。
基礎を別教材で固めた後に戻る、学校で配布された青チャートを辞書として使う、苦手分野だけ参照する方法もあります。
白・黄・青・赤チャートのレベル比較
色の選択は、難しい本を選ぶ競争ではありません。
数研出版の公式説明を並べると、各色の主な役割は次のように整理できます。

| 色 | 公式の位置付け | 選ぶ目安 |
|---|---|---|
| 白 | 共通テスト対策まで | 高校数学の基礎固め |
| 黄 | 中堅大学入試対応 | 教科書から入試中級へ |
| 青 | 難関大学入試対応 | 教科書から入試上級へ |
| 赤 | 最難関大学入試対応 | 実践的な高難度まで |
基礎が不安なのに青を選ぶと、例題の解説を読む前提知識で止まる可能性があります。
一方、黄で基礎から入試中級まで確実に進める方が、結果として過去問へ早く移れる人もいます。
店頭で同じ単元の例題と解説を見比べ、解説を読めば自分で次の一題を解けそうか確認すると選びやすくなります。
青チャートは何日・何か月で終わるか
終了日数は、版、科目、対象問題、1日の問題数、復習回数で変わります。
全員に当てはまる「3か月で終わる」という答えはありません。

次の式で、自分の計画を先に見積もれます。
初回日数=取り組む問題数÷1日に進める問題数
総日数=初回日数+復習日+予備日
たとえば、例題を数えて1日5題進めるなら、対象例題数を5で割った日数が初回の最低目安です。
実際には、解けなかった問題の再演習と学校行事を考え、復習日と予備日を加えます。
計画を作るときは、青チャートの終了日より、志望校の過去問を始める日を先に決めてください。
2026年改訂版と価格・ISBNの注意点

2026年6月14日時点では、数学I+Aに「改訂版」が掲載されています。
数学II+Bと数学III+Cは、数研出版のラインナップ上で「新課程」と表記されています。

| 科目 | 公式価格 | ISBN |
|---|---|---|
| 改訂版I+A | 2,310円 | 978-4-410-10579-1 |
| 新課程II+B | 2,431円 | 978-4-410-10588-3 |
| 新課程III+C | 2,541円 | 978-4-410-10595-1 |
3冊の公式表示価格を合計すると7,282円ですが、全員が3冊必要とは限りません。
また、送料、ポイント、販売価格は購入先や時期により変わります。
青チャートを始める前のチェックリスト
- 教科書の例題を解答なしで解けるか
- 志望校で必要な数学の科目と範囲は何か
- 過去問演習を始める日はいつか
- 例題、練習、EXERCISESのどこまで進めるか
- 毎週の復習日を確保できるか
- 分からない問題を動画や質問で補えるか
- 科目、版、ISBNが正しいか
- 販売者、発送者、送料、返品条件を確認したか
最初の計画は、実際に10題ほど解いた時間と正答率を見て調整してください。
予定より時間がかかる場合は、意志の弱さではなく対象範囲が広すぎる可能性があります。
青チャートのレベルに関するよくある質問

青チャートは偏差値いくつから使えますか
数研出版は開始偏差値を示していません。
教科書例題を解説なしでどの程度解けるかを、偏差値より優先して確認してください。
中学生や高校1年生には早いですか
学年だけでは決まりません。
該当単元を学習済みで、教科書の基本を理解しているなら候補になりますが、未習範囲を独学する場合は説明の相性を確認する必要があります。
コンパス3まででよいですか
最初の目標としてコンパス3までに絞る方法はあります。
ただし、志望校の過去問でコンパス4相当以上の演習が必要かを確認して範囲を調整してください。
青チャートと黄チャートはどちらがよいですか
教科書から入試中級へ進みたいなら黄、難関大学入試まで見据えて典型解法を広く学びたいなら青が公式の位置付けに近い選び方です。
同じ単元の例題と解説を見比べ、自力で続けられる方を選んでください。
青チャートだけで受験数学は完成しますか
典型解法の土台にはなりますが、過去問、時間配分、答案作成、志望校固有の出題への対応も必要です。
青チャートのレベルまとめ

青チャートは、教科書レベルから入試レベルまでを扱う難関大学入試対応の参考書です。
教科書の基本をある程度理解し、典型解法を広く学びたい人には有力な候補になります。
一方、基礎から丁寧に学びたい人、受験まで時間がない人、全問題を終えないと不安な人は、白・黄チャートや問題を絞った教材も比較した方が進めやすい場合があります。
コンパスや例題の範囲は、大学名ではなく、自力再現できるかと過去問で不足するかを基準に決めてください。



